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パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座

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京都大学経営管理大学院とアルーの産学連携の取組みであるパラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座に関連した内容をご紹介しています。
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記事一覧

『両立思考』の解説全文②経営学におけるパラドックス研究のこれから

また、本記事は後編です。前編はこちらの記事からお読みいただけます。 日本企業の課題感から見える 両立思考の意義とは 前編では、アカデミックな視点でパラドックス研究の歴史や位置づけを見てきた。  後編では実務家視点で、日本企業をとりまく課題からパラドックスを理解する必要性や両立思考の有用性について述べたい。  さて、最近、現場でよく耳にする経営の組織課題は以下のようなものである。 中長期の戦略としてESG経営やパーパス経営を掲げ、さまざまな施策に取り組んでいる。一方、現場

新刊『両立思考』の解説全文をご紹介します

2023年11月1日にアルーが監訳に携った『両立思考 「二者択一」の思考を手放し、多様な価値を実現するパラドキシカルリーダーシップ』(JMAM)が発売されました! 『両立思考 「二者択一」の思考を手放し、多様な価値を実現するパラドキシカルリーダーシップ』は、経営思想のアカデミー賞とも呼ばれるThinkers50において、Best New Management Books for 2023にも選出された名著の日本語版です。こちらです。 この記事では、私中村が、京都大学経営管理

~共冒険者モデルから考えるリーダーシップ~「AI親友論」から考える個人と組織の未来② 

ChatGPTなど、生成系AIの急速な発達によって、AIが人間の知能を越えるシンギュラリティの到来が現実味を帯びてきました。これまで人類が体験したことのない時代を生きる上で、私たちはAIとどのように向き合っていくべきなのでしょうか? 人間とAIの共存に注目が集まる中、「AI親友論」という書籍が刊行されました。著者は、日本の哲学界をリードする京都大学文学研究科哲学専修の出口康夫教授。人間とAIを共に冒険をする対等な仲間であると考える「共冒険者」モデルを提案する出口教授に、アル

「AI親友論」から考える個人と組織の未来 ~「わたし」から「われわれ」へのシフト~

ChatGPTなど、生成系AIの急速な発達によって、AIが人間の知能を越えるシンギュラリティの到来が現実味を帯びてきました。これまで人類が体験したことのない時代を生きる上で、私たちはAIとどのように向き合っていくべきなのでしょうか? 人間とAIの共存に注目が集まる中、「AI親友論」という書籍が刊行されました。著者は、日本の哲学界をリードする京都大学文学研究科哲学専修の出口康夫教授。すべての主体を「わたし」ではなく「われわれ」から考えるというWEターンやSelf as Weと

パラドキシカル・リーダーシップ養成講座 第1回目レポート

京都大学経営管理大学院とアルー株式会社は、これからの社会に求められる経営のあり方を明らかにし、その経営を担うリーダーを育成することを目的に、「パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座」を設立いたしました。 本共同講座の事業として、これからの時代に求められる新たなリーダー像を受講者の皆様と探究する「パラドキシカル・リーダーシップ」養成講座(全5回)を開講いたしました。各回のテーマは以下の通りです。 第1回目:パラドキシカル・リーダーシップとは何か 第2回目:戦略・ビジネス

パラドキシカル・リーダーシップ 産学共同講座 設立記念シンポジウム 「パラドキシカル・リーダーシップとは何か 後編」

昨今の「持続可能な社会に対する要求の高まり」「VUCAとも称される変化の激しい事業環境」「組織と個人の関係性の変化(囲い込みから相互選択へ)」といった社会情勢の変化は、多くの矛盾する要素を内包する課題=「パラドキシカルな課題」を経営リーダーに突きつけています。 こうした課題に対して、従来の経営論やリーダーシップ論では、「二者択一」の姿勢で臨むことが重要視されていました。それに対し、パラドキシカルな要素をいかに「両立」させていくかという問いを持って課題と向き合っていくリーダ

パラドキシカル・リーダーシップ 産学共同講座 設立記念シンポジウム 「パラドキシカル・リーダーシップとは何か 前編」

昨今の「持続可能な社会に対する要求の高まり」「VUCAとも称される変化の激しい事業環境」「組織と個人の関係性の変化(囲い込みから相互選択へ)」といった社会情勢の変化は、多くの矛盾する要素を内包する課題=「パラドキシカルな課題」を経営リーダーに突きつけています。  こうした課題に対して、従来の経営論やリーダーシップ論では、「二者択一」の姿勢で臨むことが重要視されていました。それに対し、パラドキシカルな要素をいかに「両立」させていくかという問いを持って課題と向き合っていくリーダ

パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座 設立記念シンポジウム「なぜ今、パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座を設立したのか」

昨今の「持続可能な社会に対する要求の高まり」「VUCAとも称される変化の激しい事業環境」「組織と個人の関係性の変化(囲い込みから相互選択へ)」といった社会情勢の変化は、多くの矛盾する要素を内包する課題=「パラドキシカルな課題」を経営リーダーに突きつけています。 こうした課題に対して、従来の経営論やリーダーシップ論では、「二者択一」の姿勢で臨むことが重要視されていました。それに対し、パラドキシカルな要素をいかに「両立」させていくかという問いを持って課題と向き合っていくリーダー

経営学の新潮流 矛盾を両立するパラドキシカル・リーダーシップとは

アルーは京大オリジナル社*1と提携し、リーダー育成プログラムを共同開発するなど、様々なプロジェクトを手掛けています。今回は人的資源管理論・組織行動論の権威であり、世界的な学術雑誌であるApplied Psychology: An International Reviewの共同編集長も務める、京都大学経営管理大学院の関口倫紀教授をお招きし、アルー株式会社代表取締役社長の落合文四郎とAlue Insight編集長の中村俊介が、経営学の潮流からこれからの経営と組織のあり方について語

パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座 メンバー紹介

この記事では、未来を担うリーダーを育成する産学共同講座、「パラドキシカル・リーダーシップ産学共同講座」を担当する各教授をご紹介します。 本講座は、京都大学経営管理大学院の関口倫紀教授とアルーにて設立した講座です。内容の社会的な意義を認められ、経産省「高等教育機関における共同講座創造支援事業」の共同講座創造支援事業費補助金の交付事業としても採択されています。 経済産業省 高等教育機関における共同講座創造支援事業 本講座の教員の皆さまに、設立に対する想いや今後の展望について