人と人とのコミュニケーションを軸にした、アルーのテレワーク
テレワーク(リモートワーク、在宅勤務)は、今や珍しいものではありません。各社、様々な工夫をしながら、多様な働き方の実現に向けて試行錯誤されていることと思います。
当社は2017年から限定的な在宅勤務制度の実施をスタートし、2020年、コロナウイルス感染拡大を機に、全社テレワークも一気に加速させました。(現在は、週あたり2日の出勤、残り3日はテレワークという形をとっています)
現場に耳を傾け試行錯誤を続けた結果、令和4年度、当社は総務省が推進しているテレワーク先駆者百選において、十分な実績を持つ企業として「総務大臣賞」を受賞しました。
この記事では、当社が実施しているテレワークの工夫をご紹介します。既にテレワークを実施されていて継続のアイデアを追加で探している方にも、そしてこれから実施を検討されている方にも、一つでも参考になるものがあれば嬉しいです。
テレワーク先駆者百選とは
総務省は、テレワークの普及促進を目的として、平成27年度から、テレワークの導入・活用を進めている企業・団体を「テレワーク先駆者」とし、その中から十分な実績を持つ企業等を「テレワーク先駆者百選」として公表しています。また、平成28年度からは、テレワーク先駆者百選として公表した団体等の中から、他団体が模範とすべき優れた取組みを行っている団体等に対し、総務大臣賞を授与しています。
2017年から限定的な在宅勤務制度の導入を開始
当社は、2017年1月から在宅勤務制度を運用してきました。しかし、この在宅制度は育児、介護の支援を目的にしていたため、対象を限定した運用としていました。
2020年3月にコロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令された際、当社はまず、事業である研修のオンライン化に全力を注ぎました。
当社は上海に子会社があり、新型コロナウイルスの影響を大きく受けていたため、日本でも同様のことが起こると想定していました。様々なオンラインシステムツールの導入や当社LMSのetudes(エチュード)*1を活用することで、2020年4月の段階で、オンライン研修の実施率は81.9%を超えることができました。約1か月で、事業のオンライン化を進めた形です。
「顧客企業に対し従来通りもしくはそれ以上の価値を提供する」ことを目指し事業のオンライン化を進めるかたわら、これまで行っていた在宅勤務制度を拡充させながら、規程や環境の整備を急ピッチで進めました。特に従業員の安全性確保のためには、出社日数や出社時の始業時刻等を柔軟に運用することで、定着を目指しました。
その結果、2021年1月~4月末までのテレワークの実施による出勤削減割合は、88.9%となりました。
現在も政府の指標、そして事業の特性に合わせながら、テレワークと出社割合を柔軟に調整しています。
*1:社員教育これ一つで解決 etudes
テレワークの反動ー「聞けない」「分からない」
一方で、急速なテレワークの推進により、従業員からは下記のような声が聞こえてきました。
聞きたいことが、聞きたいときに聞けない
誰に質問すればいいのか分からない
毎年新入社員を採用していますが、ここ数年では中途社員の方も積極的に採用しており、年に20名以上の入社者がいます。特に入社したばかりの社員にとっては、テレワークのみだと業務遂行はもちろん、他の社員との関係構築も難しい状態です。そもそも、どのような社員がいるのかが分かりません。
このような社員の声に対応するため、当社ではまず、次のような対応を推進しました。
テレワーク環境を快適にする、各種取組み
当社はテレワークを推進していく中で、下記のような取組みを行いました。
会議時のチェックインタイムの設置
管理職のコミュニケーション改善
ポータルサイトの改善
学びのプラットフォームの改善
質問サイトの改善
新規入社者向けチャットルームの設置
働きすぎへの抑制
①会議時のチェックイン*2タイムの設置
毎週実施している全社員参加の朝礼や、各社内打ち合わせ時にチェックインタイムを設け、業務以外でのコミュニケーション時間を意図的に設置しました。人によっては従来から当たり前のように実施しているものではあるかと思いますが、意図的に実施する、というところがポイントです。
全社朝礼では、新人~役員までランダムにグループ分けを行い、最近あったこと、楽しかったことなどを中心に話しています。朝礼はZoomを利用して実施しており、チェックインの時はブレークアウトセッションに分かれて実施しています。たった5~6分の時間ではありますが、チェックインが終了してメインルームに戻ってきたときの、社員の笑顔がとても印象的です。
*2:会議におけるアイスブレイクの一つ。テーマを決めて参加者が順番に話していく手法のこと
②管理職のコミュニケーション改善
メンバーと日々接する管理職には、以下のような対応を進め、「社員を一人にしない」ことを意識しました。
上司、部下間の1on1ミーティングを週次で継続的に実施
1on1MTGは、部下の部下に対しての実施も推奨不安解消のため、様子を細かく確認
「〇〇さん、最近の業務で困っていることある?」
「今日のミーティングの中で分からなかったことある?」テキストコミュニケーション時には意識してチアアップ
「最近、〇〇さんは××ができるようになったね! すごい」など
成長が見えづらく褒められることも限られている中で、意識的にモチベーションスイッチを押す
③ポータルサイトの改善
これまでも全従業員が見ることのできるポータルサイトはありましたが、リニューアルし、より使いやすくなりました。
情報共有のためのサイトリンクやチャットグループ、ツールなどを掲載することで、テレワーク下でも様々な情報共有が容易にできるようにしました。
④学びのプラットフォーム あるーだいがく
社内研修の動画やコンプライアンスのeラーニング等全社員がアクセスできる「etudes」を利用したサイトを作成しました。
事例の資料共有等も行うことができ、新規入社者からベテラン社員まで様々な角度からの学びが可能となっています。
⑤質問サイトの改善 おしえてアルー
「おしえてアルー」は、情報募集や事例共有、顧客へのアプローチの仕方などを全社員へ質問できるサイトです。
回答者は役員を含む全社員。過去の情報募集のやり取りも見え、以前に同様の悩みを持った人の解決までの道のりも確認可能です。海外支社の社員からも回答支援がきます。
⑥新規入社者向けチャットルーム ひよっこルーム
新卒・中途にかかわらず、新規入社者が参加できるチャットグループが存在します。
新規入社者同士のため、気軽にコミュニケーションがとれ、緊急ではないけどちょっと気になっているような悩みの解決に役立てています。
※利用対象は、入社2年以内の管理職未満となっています
ひよっこルーム利用者にインタビューしました。
特に入社1年未満は、質問したいことが所属部門の管轄ではないことは予想できるけど、そもそも社内にどんな部署があるのか分からないし、誰がいるのかも分からず、迷子になりやすいです
とても些細なことで、例えば、この書類って連絡待っていればいいの? 自分で聞きにいかないといけないの? という「緊急ではないけど、ちょっと気になる」内容も、こちらで聞いています
回答を直接もらえる場合もありますが、この部署のこの人に聞くといいよと連絡先を教えてもらえることが、とても助かっています
投稿すると当日中に返事がもらえるので、心強いです
入社してチャットに自己紹介を投稿したら、30人ほどがすぐに反応をしてくれました。それだけで、迎え入れていただいている感じがあり、嬉しかったです
しばらくは質問投稿を中心に、業務に慣れてきた人は自然と回答する側になっています。迎えてもらう→自分が新しい人を迎える→チャットルームから巣立つという、とても良い循環ができているように感じます
➆「働きすぎ」の抑制
テレワークは集中できる反面、稼働時間が長くなりがちな傾向がありました。そこで、稼働管理ツールを導入し、在宅という環境下で社員がとめどなく働いてしまわないよう、全社員の稼働時間を週次で確認するようにしました。
残業が多くなりそうな傾向が見られる人には、上司との面談を設定し、業務配分の見直しを実施しています。
テレワークの社内満足度、80%以上
他にも様々な活動がありますが、快適なテレワーク推進のために上述のような取組みを行った結果、社員からは下記のような感想がよせられ、テレワークの満足度は80%以上となりました。
業務面
じっくりと業務に集中して取り組める
社内コミュニケーションツールが充実していて業務ファイルの共有もストレスなくできる環境のため、業務が効率化された
プライベート面
子どもや夫婦との時間が増え、充実した時間を過ごせるようになった
通勤時間が減った分自己研鑽に充てることができる
通勤時間がないため、家族の転勤で遠方に引っ越したものの通常どおりの業務ができ満足
オフィス×テレワーク ハイブリッドな働き方へ
現在は、週2日は出社、週3日*3はテレワークという形で業務を行っています。ハイブリッドな働き方に向けて、以下のような対応を進めています。
*3:小学生以下の子供がいる場合は、申請をすれば全てテレワークでの業務も可能にするなど、出社とテレワークのバランスを柔軟に設計しています
①オンライン用ブース
オフィス出社時にもオンラインでのMTGや研修実施が快適に行えるよう、個室・半個室のオンライン用ブースを新たに設置しました。出社している本人もオンライン上の相手にも、打合せや研修に集中できる環境を提供しています。
②オンライン用ツール配布
オンラインMTG時、モニターやヘッドセット等の環境によって勤務時の快適度が大きく変わるため、全社員にヘッドセットを配布しました。
使用者の疲労軽減だけでなく、ノイズの入りにくいヘッドセットを選定し、聞いている側の人にもストレスの少ないミーティングの開催につなげています。
その他、創立記念イベントのような大きなイベントもハイブリットで展開するなど、様々な工夫を行っています。
「人と人とのコミュニケーション」
これが、テレワークの導入・推進時に大切にしていた考えです。今後もこの考えを念頭に置き、テレワークの拡大・推進に取組んでいきます。
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