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落合文四郎 note

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アルー株式会社代表取締役社長 落合文四郎のnoteです。 経営、マネジメント、リーダーシップなど、人材育成に関して探究してきた内容をご紹介しています。
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#組織

世の中の流れをどのように捉えればいいのか

前回の記事では「チームメンバーとして、既にあるヴィジョンをどう捉えればよいのか?」という問いに対して、チームのヴィジョンを再解釈するというアプローチをご紹介し、「だれでも、どんな立場であってもヴィジョンの設定はできること」についてお話ししました。 今回の記事では、ヴィジョンの構想プロセスにおいて、よくいただく3つ目の質問として「世の中の流れをどのように捉えればいいのか」についてお話します。 ヒト・モノ・カネ・情報のつながりの強さが、VUCAの時代をもたらしている みなさん

チームメンバーとして、既にあるヴィジョンをどう捉えればよいのか?

前回の記事では、内なるエネルギーと志の両立が難しいと感じる場合には、内なるエネルギーを捨象することなく、本音と建前を使い分けたり、自己開示することによって対処することについてお話ししました。 これまでのヴィジョンについての話は、リーダー的な立場の人がヴィジョンを描くことを想定して書かれていると思われた方もいらっしゃるかもしれません。ヴィジョンについてお話しをするときに、よくいただく質問の2つ目としては、次のようなものがあります。 リーダーの立場ではないので、チームのヴィジ

内なるエネルギーと志の両立が難しいと感じた時に読む記事

前回の記事では、いいヴィジョンの原因的要件と結果的要件のつながりについて考え、原因的要件を満たすようにヴィジョンを創っていき、その後で結果的要件を満たすように表現することが大切であることをお伝えしました。 いいヴィジョンの要件 ▼【主体的真理とのつながり】自分の、そして、チームメンバーの主体的真理とつながっており、内なるエネルギーが引き出されている ▼【野心ではなく志】自分のためだけ(野心)ではなく、自分を含めた周囲の人のため(志)になっている。そして、内なるエネルギーと志

なぜ、「いいヴィジョンは明確である」だけでは不十分なのか?

前回の記事では、いいヴィジョンの3つめの要件として、いいヴィジョンは意識の変容を含意していることについてお話しました。今回の記事では、これまでお話ししてきた、いいヴィジョンの要件をまとめた上で、「一般的に言われているいいヴィジョンの要件」との違いについて考えたいと思います。 これまでの記事で取り上げてきた、いいヴィジョンの3つの要件を確認しましょう。 いいヴィジョンの(原因的)要件 ▼【主体的真理とのつながり】自分の、そして、チームメンバーの主体的真理とつながっており、内

インパクトを生み出すヴィジョンの本質は何か?(いいヴィジョンの要件③)

前回の記事では、いいヴィジョンの要件の1つとして、「野心ではなく志」であることと、「内なるエネルギーと志の両立」が大切であること、についてお話ししました。 今回の記事では、いいヴィジョンの要件の最後のポイントについてお話します。この要件は、ヴィジョンの中でも、変革を推進するような大きなインパクトをもたらすヴィジョンについて特に当てはまります。 いいヴィジョンが生み出される本質 いいヴィジョンあるいは、いいミッションと言われる、事例を考えてみましょう。この事例の中には、ミッ

野心と志は何が違うのか?(いいヴィジョンの要件②)

前回の記事では、いいヴィジョンの要件の一つとして、「主体的真理とのつながりがあること」、別の角度で表現すれば、「石にかじりついてもやり続ける」人が一人でもいること、についてお話ししました。 今回の記事でも、引き続き、いいヴィジョンの要件について考えていきたいと思います。 いいヴィジョンは、野心ではなく志みんなで大きなことを成し遂げようとするときに、ヴィジョンが必要になります。 「早く行きたければ1人で行け。遠くに行きたければ、みんなで行け。」 前の記事で紹介したアフリ

なぜ、ヴィジョンがお題目になってしまうのか?(いいヴィジョンの要件①)

前回の記事では、なぜ、いまヴィジョンが大切かについて、個人と組織の関係性が変わっていく時代の流れにおいて、「みんなで遠くにいく」ことを選択して、中長期的に一貫性をもって取り組んでいくための中核となるものがヴィジョンであるという話をさせて頂きました。 今回の記事では、いいヴィジョンとは何か、について、意識の意識化の観点からお話しします。ヴィジョンについては、すでに多くの経営書などにおいてその定義や重要性は示されていると思いますが、意識の意識化の観点から光を当ててみると、違う切

なぜ、いまヴィジョンが大切か?

みなさんは、「あなたが所属する組織のヴィジョンは何ですか?」と問われたら、どのように答えますか? また、「あなたのヴィジョンは何ですか?」と問われたらどうでしょう? 将来のイメージについて何らかの形で持っていたとしても、改めてこのように問われるとすぐに答えることができなかったり、答えることができたとしても、部分的な表現になってしまったり、自分が意図していることをうまく表現できなかったりするのではないでしょうか。 ヴィジョンとは、端的に言えば「将来像」という意味です。ビジ

自己信頼は、後天的に獲得できるのか?

前回の記事では、リーダーの自己信頼がチームの心理的安全性を生み出すと言うことについてお話ししました。自己信頼をテーマとした章も、大詰めです。今回の記事では、この章の最後のテーマとして、自己信頼は恵まれた人だけのものなのか、誰であっても獲得可能なものなのかについてお話し致します。 「自己信頼」は、恵まれた人だけのもの?以前の記事で、友人のKさんや社員のNさんとのやりとりの中で、私自身が「自己信用」は高くても「自己信頼」は低いことに気付かされたというお話しをしました。 そのと

リーダーの自己信頼が、チームに心理的安全性をもらたす

前回の記事では、自己信頼が、人との「横の関係性」を育み、自分は自分らしく、他者もその人らしくいられるようになるということをお話ししました。 今回の記事では、リーダーの自己信頼がチームに心理的安全性をもたらすということについてお話しします。 心理的安全性とは何か心理的安全性という概念は、Google社が社内プロジェクトにおいて「効果的なチームの条件とは何か」という問いに対して探求した答えとして、紹介されたことで日本においても知られるようになりました。 Google社のリサ

自己信頼が、人との関係性に与える影響とは?

前回の記事では、自己信頼は他者信頼を生み出すこと、そして自己信頼と他者信頼があることによって課題を直視できたり、主体的真理をぶつけ合って創造的な活動につなげることができたりすることをお話ししました。 今回の記事では、自己信頼と他者信頼があることによって、人との関係性がどのように変わるのかについてお話しします。 信頼があると、縦の関係ではなく横の関係となる自己信頼と他者信頼があると、人との関係性の質感が変わります。それは、「縦の関係」ではなく、「横の関係」になるということで

自己信頼は、他者信頼を生み出す

前回の記事では、自己信頼とは何ではないのかについてお話しすることにより、自己信頼について立体的な理解を深めました。 今回の記事では、自己信頼の1つの重要な側面である「他者信頼」についてお話しします。他者信頼は、自己信頼とは一見異なるものですが、実は他者信頼と自己信頼は密接に結びついています。 自己信頼できると、相手を見る目も変わる自己信頼には一つの重要な側面があります。それは、自分を無条件に信じられると、他者も無条件に信じられることです。逆に、自分を条件付きでしか信じられ

自己信頼とは何ではないのか?

前回の記事では、自己信頼は無条件に自分を信じることであり、条件付きで自分を信じる自己信用とは異なることをお話ししました。また、条件付きの「自己信用」ばかり積み重なると、かえって自分を見失いやすいということもお伝えしました。 今回の記事では、自己信頼とは何ではないのか?について引き続きお話しすることによって、自己信頼についてさらに深くお伝えしていきます。 自己信頼は、自己効力感とは異なる自己信頼と似て非なるものとして、自己効力感(Self-Efficacy)があります。自己

自己信頼と自己信用は何が違うか?

前回の記事では、メタ意識から直感・思考・身体意識をありのままに捉えるということが大切であり、それを自己一致と呼ぶこと、そして、自己信頼とは、いつでも「自己一致」できることによって生まれてくる、自分を無条件で信じる状態であることをお話ししました。 これまで、自己信頼とは何かについてお話しをしてきましたが、今回の記事では、自己信頼とは何ではないのか、についてお話しすることによって、自己信頼についてさらに深くお伝えしたいと思います。 「信頼」と「信用」の違い信頼と信用という言葉