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落合文四郎 note

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アルー株式会社代表取締役社長 落合文四郎のnoteです。 経営、マネジメント、リーダーシップなど、人材育成に関して探究してきた内容をご紹介しています。
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#起業

精神的成熟段階による主体的真理の質感の違い

前回の記事では、主体的真理に生きることはなぜ難しいのかについてお話をしました。今回の記事では、精神的成熟段階による主体的真理の質感の違いについて話します。 なぜ、このようなテーマを取り上げたいのかについてその背景を共有させてください。これまでの主体的真理に関する記事をお読み頂いた方は、主体的真理とは何かについて、解像度高くご理解いただいていると思います。主体的真理について、我々の共通の問いと言ってもいいものは、「どうすれば主体的真理を見つけることができるのか?」ということに

リーダーの器は、どのように広がっていくのか?①

これまでの記事においては、リーダーの成長をテーマとして、次のようなことをお伝えしてきました。 ▼リーダーの成長の鍵は技術課題ではなく、適応課題であり、価値観の変容を伴う精神的成熟が大切となる ▼リーダーの成長には、内面の葛藤の経験が必要であり、その内面の葛藤とは、「主体的真理に生きることと、周囲と調和して生きることの矛盾」に向き合う経験であるということ ▼環境が変わっていなくても、「主体的真理に生きる」ことに関する自分の内面の変化によって、内面の葛藤がもたらされる。そして、

「一皮むける経験」を自ら創り出すには、どうすればよいか?

前回の記事では、リーダーが精神的に成熟するためには、内面の矛盾と葛藤する経験が必要であるということと、その葛藤のプロセスについて、ストーリーの原型を意識しておくことで、乗り越えやすくなるという話をしました。 今回の記事では、内面の矛盾と葛藤する経験を、どのように生み出していくことができるのか、ということについてお話しします。 成長機会は自分で創り出すことができるリーダーシップ開発の研究分野において、一皮むける経験あるいは修羅場経験というテーマで、どのような経験がリーダーの

リーダーとして精神的に成熟するためには何が必要か?

前回の記事では、リーダーの成長の鍵は技術課題ではなく、適応課題であり、価値観の変容を伴う精神的成熟が大切となるということをお話しました。 今回の記事では、精神的に成熟するためにはどうすればいいのかについてお話したいと思います。 精神的成熟には、矛盾に葛藤する経験が必要リーダーの成長の多くは「経験」から生まれると言われます。リーダーシップ研究の調査機関である米国ロミンガー社は、リーダーの成長の70%は経験、20%は他者からの薫陶、10%はトレーニングと言っています。他者から

なぜ、リーダーは変われないのか?

前回の記事では、これから連載していく第二章の全体像として「自身と組織の器が広がる、リーダーの意識変容メカニズムとは?」というテーマでお話をしました。ここからは、第二章の詳細として、リーダーと組織の変容をテーマとしてお話しします。前回の記事を読んでいない方は、そちらを先に読んでいただくと、全体像が掴みやすいと思います。 アルーでは新人から管理職まで、会社の様々な階層の人に対して研修を行っていますが、組織の上の立場になるほど、研修や育成の難易度は高まります。 ▼プレイヤーとし

自身と組織の器が広がる、リーダーの意識変容メカニズムとは?

ここまで「主体的真理の社会実装のための意識の意識化」ということをテーマとして、その全体像や背景についてお話をしてきました。これまでの内容を導入としての第一章と位置付けるならば、ここからは第二章として、「リーダーや組織の変容・変革」というテーマでお話をしていきたいと思います。 第一章の記事をまだ読んでいない方は、ぜひこちらの記事もご覧ください。 変われないリーダー「リーダーの立場にいる人って、変われるのでしょうか?」 実は、この質問は、私がこれまで人材育成を手がける中で、

「意識の意識化」をテーマとして発信する理由

「意識の意識化」をテーマとしていくつかの投稿をしてきており、これからも発信していきたいと思っていますが、序章の締めくくりとして、どんなきっかけで、どんな目的で、誰に対して発信していきたいと思ってるかを共有させてください。 NOTEを始めようと思ったのきっかけは色々あるのですが、一番のきっかけになっているのは、この1年間探求してきたテーマについて、多くの人と共有したい、一緒に探求していきたい、一緒に広めていきたいと考えたことです。 3人で合計1000時間以上の探求の旅200

私の課題意識②:日々の仕事における主体的真理とのつながり

前回の記事で、私の課題意識として「組織×外面への偏重」という話をさせて頂きました。今回は、別の角度から課題意識を共有させて頂きたいと考えています。 日々の仕事の中での主体的真理とつながり前回の「組織×外面への偏重」という課題認識は、会社全体、組織全体、ビジネス全体という視点から捉えたものですが、今回は、個人レベルで考えた時の課題認識となります。 それは、「日々の仕事の中で、主体的真理とのつながりを感じながら、働くことができているだろうか?」ということです。 ▼「仕事は仕

私の課題意識①:目に見えるものへの偏重

初回のノートでは、「経営における矛盾を両立するパラダイムは何か?」について、3+1意識モデル(ミクロ的・微分的視点)や、矛盾を両立する経営の全体像(マクロ的・積分的視点)について述べました。 今回の記事では、このような観点から私たちの社会の現実をみたときに、どのような課題意識を持っているのか、お話ししたいと思います。 見えるものへの偏重まず第一に課題意識として感じるのが、「見えるものへの偏重」です。具体的には、売上、利益、株価などの財務的な結果であったり、ビジネスモデル、

私自身のストーリー② 自ら作り出してしまった「社長の孤独」

前回の記事では私自身の起業までの経験を元に主体的真理についてお話ししました。今回は私自身のもう一つのストーリーから、主体的真理に生きるために必要なことについてお伝えしたいと思います。 (初回のnoteでは、「経営における矛盾を両立するパラダイムは何か?」について述べていますので、まだ読んでいないという方は、是非とも初回からお読みください) ケチケチ創業「起業するときには失敗するリスクは考えませんでしたか?」 起業してからしばらくの間、もっともよく聞かれた質問です。「なん

私自身のストーリー① 物理少年が「人の成長の真理」を探究するまで

前回のnoteでは、「経営における矛盾を両立するパラダイムは何か?」について、3+1意識モデル(ミクロ的・微分的視点)や、矛盾を両立する経営の全体像(マクロ的・積分的視点)について述べました。 今回は、私自身のストーリーについてお話させていただくことで、なぜ私が前回のnoteのようなテーマを持っているのかについての背景をご説明できればと思っています。幼少期まで遡った話になりますが、よろしければお付き合いください。 物理との「出会い」と「別れ」私は両親と4歳年上の兄の4人家